テクニカル分析の基本【RSI】の使い方・注意点とは?

RSIの写真

テクニカル分析と聞くと、皆さんが初めに勉強する指標として移動平均線やMACDやRSIが挙げられると思います!

移動平均線(Moving Average)については、前回の記事にてまとめましたので、興味がある方はチェックしてみてください。

そして今回の記事ではRSIの意味や使い方を理解したいという方のために、詳しく解説していこうと思います。

このRSIとは、買われすぎ、売られすぎを判断するために多くの投資家の間で使用されています。

このブログでは、RSIの意味から、計算方法、代表的な使い方まで解説していこうと思います。

目次

RSIの意味、計算式

RSIとは、Relative Strength Index (相対力指数)と呼ばれており、株が買われ過ぎか売られ過ぎかを表す指標です。

計算式は、以下のようになっています。

【計算式】

U = n日間の値上がり平均

D = n日間の値上がり平均

[latexpage]

\[
RSI = \frac{U}{U+D} \times 100
\]

計算式から、理解すると n日間の値動きの合計のうち、値上がり幅は何%かを表しています。

割合 [ % ]を表す指標なので、数値は 0 ~ 100 の範囲に収まります。

なので

RSI が 0 の時は、n日間ずっと下落している

RSI が 100 の時は、n日間ずっと上昇している。

という事になります。

そして、

RSIが 50より高い時は上昇傾向

RSIが 50より低い時は下降傾向

という風に、トレンドを判断することにも使えます。

RSIの使い方

RSI は前章で説明したとおり、株が買われすぎ、売られすぎを把握するためのもので、オシレーター系の指標と言われています。

オシレーター(Oscillator)とは「振動するもの」、「振り子」という意味で、これは

株が買われすぎたら、いずれ落ち着いて下がり株が売られすぎたら、いずれ落ち着いて上がるという、振り子のような動きをすることからそのように呼ばれています。

ちなみに、オシレーター系の指標は、RSI以外に、ストキャスティクス、ボリンジャーバンドなどがあります。これらについても他に記事で解説します。

それでは、RSIをテクニカル分析で使用する際の使用方法と注意点をそれぞれ説明していきます。

使い方① 逆張り

RSIは、説明にあったとおり振り子のような特性を持った指標です。

まずイメージとして振り子とは、以下のような形になっており、RSIの値は、振り子のそれぞれの特定の位置に近い動きをします。

RSI振り子のイメージ

なので、売られ過ぎであればあるほど(0に近い)、買われすぎであればあるほど(100 に近い)戻る力が強いという事になります。

実際のRSIでは、100 や 0という値になることは滅多にないため売られ過ぎは 30 以下、買われ過ぎは 70 以上という値に設定してそれらを売買の判断基準とします。

よって

RSIが30以下になると買い

RSIが70以上になると売り

という、売買判断ができます。また、このように今の値動きの強い方向性が正常に戻ることを想定して逆の売買をする取引のことを逆張りと言います。

追加で、なぜRSIが100と0になりにくいか説明します。

RSI が 100 または 0 ということは、 n日間買われ続けている または 売られ続けているという意味なのです。

一般的にRSI のパラメーター n には 14 が使用されるため、14日連続で買われ続ける、または売られ続けるという事がほとんどありえないというのは想像できると思います。

株価は、上昇局面でも波打つように上がっていくからです。

もちろん、振り子のイメージで説明したとおりRSI が 0, 100 のときが一番戻る力が強いので、その際に逆張りすることが望ましいですが、そのような機会は滅多にこないので、恐らく待ちくたびれてしまいます。

代わりに、RSIの範囲を30% ~ 70% から、20% ~ 80%などと設定することで売買タイミングは少なくなりますがより勝率が高くなるので、そこの範囲設定は銘柄の値動きを見てから判断してみてください。

また、n には、14日以外に以下の数字が使用されますのでこちらもご参考にしてください。


日足 9日 14日 22日 30日 42日 52日

週足 9週 13週

使い方② トレンドを見る

RSIは、一般的に逆張りの用途で使用されまが、私はトレンドを見るために、使用することもあります。

それは、RSIの推移を移動平均線のように見立てて、支持線、抵抗線を引いてトレンドを見るという方法です。

以下に図を示します。

この図は、日本航空 ( 9201 ) の株価を例としています。

赤線で、書かれている部分が下値支持線となり、上昇トレンドになっていることを表します。

そして黄色の部分で、トレンドをブレイクし、青線の上値抵抗線となり下降トレンドになったことを表しています。

しかし、後ほど注意点でも説明しますが、RSIは、急な値動きに過敏に反応することがあります。

その際は、その後のトレンドを見て、これは一時的な値動きなのかどうか判断するようにして下さい。

注意点①  ダイバージェンス現象

ここでは、株価の動きとRSIの動きが逆になるダイバージェンスという現象について説明します。

まず、以下にダイバージェンスのイメージを示します。

ここでは、KDDI (9433)を例にします。

この図を見ると、ある期間で株価は上昇しているが、RSIは下降しているという現象が起きています。

これは、弱気のダイバージェンスと呼ばれ、これが発生したあとは、株価が下がりやすい傾向にあります。

逆に、株価が下落しているタイミングでRSIが上がっている現象を強気のダイバージェンスといいます。

この覚え方は、強気のダイバージェンスの場合、今後株価が上昇することが想定されるので強気。

弱気のダイバージェンスは、今後株価が下落することが想定されるので弱気とおぼえて下さい。

続いてダイバージェンスが起きる理由について説明します。

強気のダイバージェンスは、下落している時は大きく下落するがその他は小さく上げているという風に、上昇圧力を受けながら株価が下落していることが原因で起きます。上昇圧力を受けているので、下落トレンドが弱くなり上昇トレンドがどんどん強くなり、その後はトレンドが逆転して上昇する傾向があります。

そして弱気のダイバージェンスは、上昇する時は大きく上昇しているがその他は小さく下げているという風に、下落圧力をうけながら株価が上昇していることが原因で起きます。下落圧力を受けているので、上昇トレンドが弱くなり下落トレンドがどんどん強くなり、その後はトレンドが逆転して下落する傾向があります。

なので、この現象を確認したら、トレンドが弱まっていると判断し、売買戦略を切り替えるように注意してみて下さい。

注意点② 急騰・暴落によるRSIの大きな変動

RSIは、相対的な指数なので、もみ合い相場から、大きく値が動くとRSIが過敏に反応することがあります。

RSIは、今までの上昇幅下落幅に対する上昇幅を計算しており、その名の通り相対的な指数となっているため直近の相場に大きく影響を受けます。

よって、もみ合い相場で上昇幅と下落幅の合計が低いときに株価が急騰・暴落すると、RSIが大幅に動きます。

以下に、エフオン (9514)の例を示します。

この図から、読み取れるのは一定期間もみ合い相場になっており、突然急騰したタイミングで RSI が急に上がっていることがわかります。

しかし、このあと再度下落ドレンドに戻るので、ここで買いでインするのは危険でした 。

80を超えたから”逆張り”がワークしたのではないかということもできますが、このような動きはRSIのみで判断するべきではなく、急騰した理由やその後の上昇トレンドは続きそうかなどという判断をしてから売買するのが望ましです。

まとめ

今回は、RSIの意味と計算式から、以下の使い方と、注意点を紹介しました。

RSIは、振り子のイメージで買われすぎたら売る、売られすぎたら買うという逆張りから、トレンドラインを引きながらトレンド観測という使い方ができる指標です。

しかし、単体で用いるよりもその他の指標やファンダメンタルの情報と一緒に使うほうが、勝率が格段に上がります。

買われ過ぎでもファンダメンタル的に見るとまだ安いという場合は、RSI関係なしに上がり続けるからです。

今後は、その他の指標に関しても記事を書いていきますので、是非見てみて下さい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回の記事が皆さんのお役に立てたのなら幸いです。

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