SOXLとは?買い方やSOX半導体指数、ICE指数の違いからメリット・デメリットまで解説

SOEL、ICE半導体指数を解説

半導体は、今はテクノロジーの進歩には必要不可欠な部品となっており「産業の米」とも呼ばれています。

そして半導体業界は、景気に敏感な業界でもあると同時に、市場が急成長している業界でもあります。

用途としては、電気自動車・スマホ・テレビ・医療機器・パソコンなどが挙げられます。

今回、紹介するSOXLは、アメリカ市場に上場している巨大な半導体企業のパフォーマンスを表す指数に連動するETFなので、リターンを得るだけでなくこのETFの動きを見るのは経済の動きを把握する上でとても重要なことです。

こちらのブログを読むと以下のことがわかります。

  • SOXLとは?
  • 連動する指数について
  • 連動する指数と比較したパフォーマンス
  • 取り扱っている証券会社

さて、投資の世界をより知るために、一緒に学んでいきましょう!

以下の目次に沿って進めていきます。

目次

SOXL ETFとは? SOXSや、SOXも紹介

SOXLとは、正式名称はディレクション・デイリー・セミコンダクター・ブル3Xシェアーズ(Direxion Daily Semiconductors Bull 3x Shares)であり、ICE半導体指数に3倍連動する日次投資成果を目指すETF(上場投資信託)である。

日次というのは、1日あたりの値動きということです。

そして、SOXLとは逆にICE半導体指数の-3倍連動する日次投資成果を目指すETFがSOXSで、正式名称はディレクション・デイリー・セミコンダクター・ベア3Xシェアーズ(Direxion Daily Semiconductors Bear 3x Shares)です。

SOXLは、3倍連動しているのでICE半導体指数が1日あたり1%上がれば、3%上がります。

SOXSは、- 3倍連動しているのでICE半導体指数が1日あたり1%上がれば、3%下がります。

SOXLの正式名称の「ブル」とは雄牛(おうし)が角を上に突き上げる様子から上昇相場

SOXSの正式名所の「ベア」はくまが前足を振り下ろす・背中を丸める様子から下落相場

を意味しています。


3倍連動するETFがあるということは、1倍連動のETFもありますよね!

それが、SOXX ETFです。正式名称は、Iシェアーズ・セミコンダクターETF(iShares Semiconductor ETF)であり、ICE半導体指数に連動します。

まとめると

SOXX :ICE半導体指数に連動ETF

SOXL:ICE半導体指数に3倍連動ETF

SOXS:ICE半導体指数に−3倍連動ETF

上にまとめたETFは、もともとSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)に連動していましたが、

2021年にICE半導体指数に変更されました。

2021年6月 SOXXのベンチマークをSOX指数からICE半導体指数に変更

2021年8月 SOXL, SOXSのベンチマークをSOX指数からICE半導体指数に変更

投資をしている方にとってはICE指数よりもSOX指数やフィラデルフィア半導体指数のほうが聞き慣れていると思います。なぜなら、ICE指数は2021年に算出開始された新しい指数だからです!

このSOX指数と、新しいICE半導体指数の違いについては、次の章で説明します!

SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)とICE半導体指数の違い

前の章では、SOXX、SOXL、SOXSについて学びましたね!

ここでは、上の3つのETFの以前のベンチマークであったSOX指数と新しいICE半導体指数の違いについて説明していきます。まずそれぞれの指数について説明します!

SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)とは?

SOX指数は、アメリカの時価総額が最も大きい上位30の半導体企業のパフォーマンスを測るためにつくられた指数です。

フィラデルフィア半導体指数とも呼ばれ、産業分類ベンチマークによって半導体サブセクターか生産技術設備サブセクター以下に含まれる銘柄が対象となっています。

計算方法:時価総額加重平均

計算開始:1993年12月1日

基準日 :1993年12月1日を基準値を200(200でしたが、1995年7月24日に2対1に分割しており100となっています)

採用条件

1 対象の証券取引所

  • ナスダック株式市場(Nasdaq Stock Market)
  • ニューヨーク証券取引所(the New York Stock Exchange)
  • アメリカン証券取引所(NYSE American)
  • シカゴ・オプション取引所(CBOE Exchange)

2 対象産業

その証券は、産業分類ベンチマーク(この分類用途のために認可を受けているFTSE internationalの製品)によって半導体サブセクター か 生産技術設備 サブセクター以下に分類される必要がある!

この分類手法は2005年にダウ・ジョーンズとFTSE(Financial Times Stock Eschange)によって、開発されたました。補足するとFTSEインターナショナルは、イギリスのロンドンに拠点を置いており、株価指数の算出、管理を行っている企業です!

3 時価総額TOP30であること

4 対象の時価総額 最低でも時価総額1億ドル以上

5 いくつかのクラスを有している銘柄は、時価総額が最も大きいものが選ばれる

6 基準日より前の6ヶ月中に月ごとに150万株が取引されるくらいの流動性が必要

7 上場した月を除いて、最低3ヶ月市場で取引されている

組み換え

組み換え日: 年に一回 9月の第三金曜日の終値の後の日にちに適応

採用条件から外れていないかを判断するデータ:7月の最終取引日の終値時点までのデータ

組み換え発表日:9月の第一金曜日

リバランス 

リバランス日 :3,6,9,12月の第3金曜日の次の取引日から適応

使用するデータ :リバランスする月の前月(2,5,8,11)の、最終日の株価

リバランス発表日:3,6,8,12月の最初の方に、リバランスが発表される!

ウェイトのルール

  • 上位5銘柄は、8%以下
  • それ以外は4%以下

ICE半導体指数とは?

ICE 半導体指数とはアメリカに上場している半導体銘柄のうち浮動株調整時価総額が最も大きい30銘柄の総合的なパフォーマンスを表す指数です。

ここでいう半導体銘柄とは、ICE Uniform Sector Classification スキーマによって、半導体産業に分類されているものです。

これらの会社は、半導体企業はもちろん、LEDやOLED技術のために使われる電気伝導性をもつ素材を作っている会社なども含まれます。

また、半導体関連の設備を提供している、また半導体のパッケージ化やテストをしている会社も含まれる!

つまり半導体を作って売るまでに関わった企業は全て対象となっています!

計算方法:浮動株時価総額加重平均

計算開始: 2021年4月13日

基準日 :2012年9月21日を100とする

採用条件

1 以下のアメリカの証券取引所で取引されている

  • ナスダック・グローバル・セレクト・マーケット(NASDAQ Global Select Market)
  • ナスダック・グローバル・マーケット(NASDAQ Global Market) 
  • ナスダック・キャピタル・マーケット(NASDAQ Capital Market)
  • ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange :NYSE)
  • アメリカン証券取引所(NYSE American)
  • シカゴ・オプション取引所( Cboe BZX)

2 ICE Uniform Sector Classification スキーマによって半導体セクターに分類されるもの

3 浮動株調整時価総額TOP30であること

4 時価総額が最低でも1億ドル

5 いくつかのクラスを有している銘柄は、浮動株調整済時価総額が最も大きいものが選ばれる

6 基準日の前の6ヶ月それぞれの月で150万株取引される必要がある

7 IPOや新しく上場した会社は、上場しいた月を含めずに3ヶ月経過している必要がある!

8 浮動株比率が最低でも5%

組み換え

組み換え日: 年に一回 9月の第三金曜日の終値の後の日にちに適応

採用条件から外れていないかを判断するデータ:7月の最終取引日の終値時点までのデータ

組み換え発表日:9月の最初の金曜日

リバランス

(新しく銘柄が追加されたり削除されたりすることはない!)

リバランス日  : 3月、6月、12月の第3金曜日の終値の次の取引日

使用するデータ :リバランスする月の前月(2月、5月、11月)の最終日の終値

リバランス発表日:リバランス月(3月、6月、12月)の第1の金曜日

ウェイトのルール

  • TOP5は8%以下
  • TOP5の構成銘柄以外は4%以下
  • TOP5が8%を超えた場合は、それより時価総額が小さい銘柄にウェイトを分配
  • TOP5ではない銘柄が4%を超えた場合は、その分のウェイトはTOP5に分配
  • ADRのウェイトは合計10%に制限でされている。超えた分はTOP5の非ADR銘柄かその他の非ADR銘柄に分配

SOX指数と、ICE指数の違い!

ここでは、SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)とICE指数の主な違いについて3点まとめました。

1つづつ見てきましょう!

計算方法

ICE指数は浮動株調整後時価総額加重平均という浮動株の時価総額だけを使って計算しているのに対して、SOX指数は時価総額加重平均という時価総額全体を使っている点で異なります。

浮動株というのは、創業者や役員が持っている固定株に対して、市場で取引されている株のことであるので、ICE指数の動きはSOX指数よりも「市場の投資家に取引された結果、株価がどのように動いたか」を表していることがわかります!

また、発行株全体のうち固定株の割がが大きい場合(つまり創業者や役員が持ってる株の割合が大きい)、ICE指数の中でのウェイトは小さくなります。

ICE指数は浮動株比率の条件がある

ICE指数は、浮動株比率が最低でも5%なくてはいけないという条件がありますが、SOX指数にはありません。

リバランスのタイミングや回数が異なる


SOXICE
リバランスする月3,6,9,12月3月、6月、12月

パフォーマンス

ここでは、SOX指数とICE指数の株価のパフォーマンスを比較して、その違いを見ていきましょう!

今回は、株価を比較しやすいようにICE指数が計算開始した2021年4月16日から2021年の年末まで、2022年の年初来、そしてICE計算開始から本日の日付までの3つの期間で株価パフォーマンスを比較しました!

計算に使用した株価とパフォーマンス結果は下の通りです。


SOX 終値ICE 終値
2021/4/163253.1747.15
2021/12/313946.2922.97
2022/1/034027.2941.98
2022/3/33339.8783.88

SOX リターン [%]ICE リターン [%]
2021年 (4/16 ~ 12/31)+21.3+23.5
2022年の年初来パフォ-17.1-16.8
4/16~今まで+2.74.9

上の3つの期間全てにおいて、ICE半導体指数がSOX指数のパフォーマンスを上回っています!

よって、ベンチマーク変更前よりもSOXX, SOXLのパフォーマンスは向上したことになるので、投資家にとっては今回のベンチマーク変更はプラスであることがわかりますね!

重み上位10銘柄

こちらでは、SOX指数とICE指数の上位10銘柄についてまとめました。

どちらか片方にしか入っていない銘柄には、色をつけています。

SOX指数(2021/9/17時点)ICE指数(2021/6時点)
台湾積体電路製造(NYSE : TSM)NVIDIA CORP (NVDA)
NVIDIA CORP(NVDA)BROADCOM INC (AVGO)
ASML HD (ASML)INTEL CORPORATION CORP (INTC)
INTEL CORPORATION CORP (INTC)QUALCOMM INC (QCOM)
BROADCOM INC (AVGO)TEXAS INSTRUMENT INC (TXN)
TEXAS INSTRUMENT INC (TXN)ADVANCED MICRO DEVICES INC (AMD)
QUALCOMM INC (QCOM)MARVELL TECHNOLOGY INC (MRVL)
APPLIED MATERIAL INC (AMAT)ANALOG DEVICES INC (ADI)
ADVANCED MICRO DEVICES INC (AMD)APPLIED MATERIAL INC (AMAT)
ANALOG DEVICES INC (ADI)KLA CORP (KLAC)

SOXLのメリット・デメリット

ここまで、SOXLやSOXS、SOXXの内容から2つのベンチマークの違いについて学んできました!

ここでは、SOXL ETFのメリット、デメリットについてまとめます。主なメリット・デメリットを下にまとめます。

メリット
  • 高いリターンを狙える
デメリット
  • 経費率が高め

高いリターンを狙える

ここではSOXLの10年間のパフォーマンスを2021年までベンチマークであったSOX指数と比較します。

終値での計算では、下のデータを使用しました。

表の下にSOX指数とSOXL指数の10年間の株価の動きを載せています。


SOX指数SOEL ETF
2011年01月03日415.00.85
2021年12月31日3,946.268.01
10年間で株価が何倍9.5倍80倍

SOX指数の10年間の動き

SOXL ETFの10年間の動き

10年間でsox指数は9.5倍だったのが、SOXL ETFは80倍と圧倒的な差がありました。

なぜ3倍ではないのかと疑問に思うかもしれませんが、SOXLは1日の動きの3倍を目指すETFです。なので、3日間のsox指数の値動きが+2%、+2%、+2%である場合は、soxl ETFは+6%、+6%、+6%となり3日後は、sox指数+6.1%でsoxl ETF+19.1%となり結果として3倍以上の差がつくのです。

これは上昇相場のときは、sox指数以上のリターンになりますが、下落相場の時はsox指数以上のマイナスになるので、そこは注意しておきましょう。

経費率が高め

SOXLは、1日あたり3倍のリターンを目指しているので、その運用の分高めの手数料がとられます。

1倍連動のSOXXと-3倍連動のSOXSの手数料も下にかいておきます!

値動きに対しては、大きな額ではないですが、経費率を把握した上で投資するとしないでは大きく違います。

指標 経費率

SOXX 0.43%

SOXL 0.95%

SOXS 0.95%

SOXLが買える証券会社

SOXLは、とても人気があるETFです。

そして以下の4つの証券会社がSOXLを取り扱っていますので、SOXLを買いたい人は口座を開いておくことをおすすめします。

  • 楽天証券
  • SBI証券
  • マネックス証券
  • DMM株
  • 松井証券

SBI証券

SBI証券
SBI証券のメリット
  • 株式取引シェアNo.1
  • 手数料が格安
  • 取引の画面が使いやすい
  • つみたてNISAで利用している方が多い

\株式取引シェア No.1 ・手数料が格安 /

マネックス証券

マネックス証券のメリット
  • 圧倒手な取り扱い銘柄数
  • 取り扱いIPO件数が多い
  • NISA口座でIPOができる
  • 銘柄分析ツールが充実している

\ 米国株を取引するならここ!/

松井証券

松井証券のメリット
  • 1日の約定代金合計50万円以下の株式取引手数料は無料
  • NISA株式取引手数料は恒久無料
  • デイトレ向け商品(一日信用取引)の手数料は無料

\ 初心者からデイトレーダーまで幅広く使われてるよ/

まとめ

今回は、ICE半導体指数に1日あたり3倍連動するSOXL ETFについてまとめ、ー3倍のSOXSと1倍連動のSOXXも紹介しました!

これらのETFは、リターンを得るだけでなく、経済の動きを把握する上でとても重要なものなので、このブログでみなさんが少しでも半導体指数やETFを理解できたのならとても嬉しいです。

また、全ての業界の動きを表す米国のS&P500についてもまとめていますので、興味がありましたら読んでみてください!

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございます。

本日も残り1日よい1日をお過ごしください!

友達にシェアしてみて
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次