このブログでは、投資信託のベンチマークとの乖離率を表すベンチマークについて、わかりやすく説明していきます!
このトラッキングエラーを理解すると下のようなことがわかります。
「投資信託がどれだけベンチマークとずれているか」
このような指標を理解しておくと、自分でいい投資信託を見つけることができます!
では、始めていきましょう!
トラッキングエラーとは?
トラッキングエラーとは、一言でいうと「ベンチマークと投資信託の差の標準偏差」であり「ベンチマークと投資信託のリターンの差のばらつき」を表します。トラッキングエラーはアクティブリスクとも呼ばれ、リスクを表す指標の1つになります。
ちなみにトラッキングエラーは必ずプラスの値を取ります。
そして理解の仕方としては、下のようになります。
トラッキングエラーが大きい → 投資信託とベンチマークの差が大きい
トラッキングエラーが小さい → 投資信託とベンチマークの差が小さい
続いて計算式を下に書いてみます!
$$ トラッキングエラー (TR) = \sigma(r_{p}-r_{b}) $$
$$\sigma() : 標準偏差$$
$$r_{p} : 投資信託のリターン$$
$$r_{b} : ベンチマークのリターン$$
トラッキングエラーの計算式は、投資信託のリターンとベンチマークのリターンの標準偏差をとっていることがわかります。
標準偏差とは、ばらつき(偏差)を標準化したもの、簡単に言うと「大体これ◯%くらいばらついている」というものでありトラッキングエラーが3の場合は、投資信託とベンチマークが大体 -3% ~ +3%くらいの範囲でばらついていると解釈します。
トラッキングエラーの評価
トラッキングエラーは、投資信託とベンチマークの差がどれくらいあるかを表しますが、この数字は運用方法によって評価が変わってきます。
ここでいう運用方法とは下の2つです。
- パッシブ運用
- アクティブ運用
パッシブ運用
パッシブ運用のパッシブとはpassive (受け身な)という意味であり「日経平均やS&P500などのベンチマークに連動するような運用」のことをいいます。
なのでパッシブ運用の投資信託の場合、トラッキングエラーが小さい方がベンチマークとの差があまりなく、よい投資信託とされます。
アクティブ運用
アクティブ運用のアクティブとはactive (積極的な)という意味であり「ベンチマーク以上のリターンを目指す運用」のことをいいます。
なのでアクティブ運用の投資信託の場合、トラッキングエラーが大きい方がベンチマークとリターンの差がある投資信託とされませす。
ただ1つ注意点として、トラッキングエーラはリターンのばらつきを表しているため、トラッキングエラーが大きいということは、プラスにもマイナスにも乖離しているということになります。よって、アクティブ運用の投資信託の場合は、トラッキングエラーが大きいからという理由で、いい投資信託とは判断できません。
そこで使えるの指標がベンチマークよりどれだけ大きなリターンを出せたかを表すアルファという指標です。このアルファと組み合わせて投資信託を評価することで、優秀なアクティブ運用の投資信託を見つけることができます。
人気の投資信託のTE(トラッキングエラー)比較
ここでは、買付ランキングやtwitterなどでも議論されている人気な投資信託のトラッキングエラーをまとめてみました。
投資信託 | 6ヶ月のTE | 1年のTE | 3年のTE |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 3.25 | 3.33 | 4.46 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 1.63 | 1.62 | 2.88 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 4.40 | 4.57 | 4.82 |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 4.35 | 4.57 | 4.93 |
ここでまとめている投資信託は、全てパッシブ運用のものなので低ければ低いほど、ベンチマークとリターンの差がないと見ることができます。よって、パッシブ運用として優秀なのはTEが最も低い楽天・全米株式インデックス・ファンドだとわかります。
まとめ
今回は、投資信託のベンチマークとのリターンのばらつきを表すトラッキングエラー(TE : Tracking Error )についてまとめてみました。
このトラッキングエラーは、必ずプラスの値を取る標準偏差によって表されている点が重要な点です。
そして評価の方法は、運用の方法(パッシブ運用・アクティブ運用)によって変わるので、評価したい投資信託があればこのブログを参考にしていただければと思います。
このブログでは、他にも投資信託の基礎や人気の投資信託のパフォーマンス比較などもまとめています!
是非、投資のヒントにしていってください!
それでは、本日も残り1日よい1日にしてくださいね!